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オープンソースのトマト(2017年6月13日 藤田明希)

オープンソースというとソフトウェアというのが一般的です。例えばかぎけんで使用しているものではLinuxやBind、Postfix、GCC、gfortran、Perl、Ruby・・・といくらでもあげることが出来ます。ところがオープンソースのトマトが発表されたと聞くと「新しいトマトソース?」位に考えてしまいます。

この度、ドイツの Göttingen University と Dottenfelderhof agricultural school はオープンソースライセンスで作物の種を発表しました。作物にはトマトやホップ、小麦、ジャガイモなどがあるようです。このライセンスは無料で使用することが出来る点でオープンソースそのものです。また収穫物やとれた種の公開に関してライセンスに新たに制限事項を加えてはいけないという条項が含まれオープンソースの中でもGNUのライセンスに近いものとなっています。

このオープンソースの種苗リリースに至った動機は簡潔に1930年以降アメリカが種苗に対する特許権(patent)を認めたために、これまで農業者が自由に行っていた品種改良が出来なくなったことだと記事は締めくくります。

記事の記載は英語ですが、ライセンス条項を作成したJohannes Kotschi氏の上記のコメントは米国に対する反感をかなり明確にしています。絶対資本主義を志向する米国と共同体資本主義を志向するEUの一員であるドイツの人々の意識の違いがオープンソース種苗のリリースに繋がったとも言えそうです

ニュース元 ScienceMag(サイエンス誌)
German breeders develop ‘open source’ plant seeds

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