ニッケルの複素屈折率と分散モデルによる近似
ニッケル(Ni)は原子番号28の第10族の元素です。銀白色の光沢ある色を示します。クロムなどと一緒に合金としてステンレス鋼によく使用されます。可視光全体で60%前後の反射率で、全体をDrudeモデル、波長200ー400nmの変曲点をLorentzモデルで物性値を精度よく再現できます。純ニッケルや酸化ニッケルのナノ粒子が触媒としてよく用いられるほか、磁性材料であるため、プラズモン共鳴と磁気的特性を併せ持った光アンテナなどへの応用が研究されています。
分散モデル(Drude-Lorentz)
分散モデルに与えたパラメータ一覧
分散モデル | 設定する係数 | 変数 | 数値 |
---|---|---|---|
共通 | 周波数∞の誘電率 | ε∞ | 2.00 |
Drudeモデル | プラズマ角周波数[rad/sec] | ωp1 | 1.60×1016 |
衝突周波数[rad/sec] | νc | 3.04×1015 | |
Lorentzモデル | 静電界の誘電率から周波数∞の誘電率を引いた値 | ∆ε2 | 2.00 |
共振周波数[rad/sec] | ωp2 | 7.20×1016 | |
減衰係数[rad/sec] | δp2 | 1.55×1015 |
電磁波解析ソフトにおける設定
Nickel/RefractiveIndex (FrequencyDispersion)
Nickel/EpsInf 2
Nickel/FrequencyDispersion(1) Drude
Nickel/OmegaP(1) 1.6E+16
Nickel/OmegaNu(1) 3.04E+15
Nickel/FrequencyDispersion(2) Lorentz
Nickel/DeltaEps(2) 2
Nickel/OmegaP(2) 7.2E+15
Nickel/DeltaP(2) 1.55E+15
分散性近似