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白金の複素屈折率と分散モデルによる近似

白金(Pt)は原子番号78の第10族の元素です。銀白色の光沢ある色を示します。科学的に安定で耐食性に優れているほか、触媒として高い活性を持っているため、工業や医療で触媒として多く使用されます。ナノ粒子にした場合は形状によらず紫外域でプラズモン共鳴を示します。単体ではプラズモン共鳴があまり強くないため、金など他の金属との合金などが研究されています。 また、白金表面と吸着する分子種の相互作用を測定できれば、触媒反応の機構解明や高活性触媒の開発に役立つため、表面増強ラマン分光法(SERS)に対して不活性な白金表面でのSERS測定感度向上の研究が行なわれています[1]

白金の複素屈折率と分散モデルによる近似(実部)
白金の複素屈折率と分散モデルによる近似(虚部)

分散モデル(Drude-Lorentz)

    \[ \varepsilon_r(\omega) = \varepsilon_\infty + \frac{\omega_{p1}^2}{\omega(j\nu_c-\omega)} + \Delta\varepsilon_2 \frac{\omega_{p2}^2}{\omega_{p2}^2+j\omega\delta_{p2}-\omega^2} \]

分散モデルに与えたパラメータ一覧

分散モデル設定する係数変数数値
共通周波数∞の誘電率ε3.00
Drudeモデルプラズマ角周波数[rad/sec]ωp11.85×1016
衝突周波数[rad/sec]νc3.50×1015
Lorentzモデル静電界の誘電率から周波数∞の誘電率を引いた値∆ε22.50
共振周波数[rad/sec]ωp29.00×1015
減衰係数[rad/sec]δp24.50×1015

電磁波解析ソフトにおける設定

Platinum/RefractiveIndex (FrequencyDispersion)
Platinum/EpsInf 3
Platinum/FrequencyDispersion(1) Drude
Platinum/OmegaP(1) 1.85E+16
Platinum/OmegaNu(1) 3.5E+15
Platinum/FrequencyDispersion(2) Lorentz
Platinum/DeltaEps(2) 2.5
Platinum/OmegaP(2) 9E+15
Platinum/DeltaP(2) 4.5E+15

[1] Katsuyoshi Ikeda ,”MOLECULAR SCIENCE”,Mol. Sci. 5, A0040 (2011)