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電磁波解析

定在波(1)

今回は電磁波の現象の1つ、定在波(Standing Wave)について記事にします。
定在波は、見かけ上は波が伝播せずにその場で振動しているかのような波の振舞いのことです。
電磁波の場合、周波数と振幅が等しく進行方向が互いに逆向きの波同士の合成波が定在波になります(注)。

1次元電磁波解析ソフトKeyFDTDちゃんで定在波を可視化した例を紹介します。
次のアニメーションは、真空中のZ=Zmaxの位置に高誘電体の壁を設置し、原点からZ軸正方向に電磁波を伝播させたシミュレーションです。高誘電体の壁で電磁波はほぼ100%反射し、その反射波は入射波と「周波数と振幅が等しく進行方向が互いに逆向きの波同士」になります。従って電磁波が壁に到達して以降Zmaxの位置から定在波が現れます。

次回この定在波を数学的に詳述します。

注:
物理一般では、定在波は「波長及び周波数、振幅、伝播速度が等しく進行方向が互いに逆向きの波同士の合成波」のことです。電磁波の場合、

  • 波長が等しいことと周波数が等しいことは同値である。
  • 伝播速度は伝播域の媒質のみに依存する。

といった性質から「周波数と振幅が等しく進行方向が互いに逆向きの波同士の合成波が定在波」と改められます。

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