マイクロ波位相制御加熱のシミュレーションについて
マイクロ波加熱はレーダー用のマグネトロン開発中に発見された現象で、1940年台には電子レンジのように身近なところでも使われています。
火やヒーターなどを用いた従来加熱は加熱対象の外側から内側へと温度が上昇しますが、マイクロ波加熱は内部から温度上昇させることが可能です。
ただし、マイクロ波でもターンテーブルで加熱対象を動かしたり、スターラーなどでマイクロ波を撹拌しなければ加熱対象の一部のみが局所的に加熱されてしまいます。
そこで加熱分布を変化させる手法としてマイクロ波源を複数使用し、それぞれの位相を制御する位相制御加熱が研究されています。
一部の企業から商品化されていますが、加熱対象の物性によって加熱分布は大きく異なるため、まだまだ発展途上の技術です。
弊社でも富士電波工機株式会社様と協力し、位相制御マイクロ波加熱の実験とシミュレーションの加熱分布を比較しています。[1]
また、今月8月23日に弊社で開催する電磁波解析セミナーでも取り上げる予定です。
https://www.kagiken.co.jp/news/archives/83
マイクロ波位相制御加熱のシミュレーションについて検討されている方はぜひ一度弊社までお問い合わせください。
[1]武藤 拓人,三角 哲平,仙田 和章,吉田 睦,"FDTD 法を用いた位相制御加熱シミュレーション",第11回日本電磁波エネルギー応用学会シンポジウム講演要旨集,2017,pp.110-111