山沿いの天気にご注意

「愛が生まれた日」っていう歌が流行ったのはいつだったかと調べてみたらリリースが1994年。なんと4半世紀以上前でした。私自身、親世代が「もうこんなに経ったのか、早いもんだ」などと言っているのを見て○○年は○○年でしょと思っていましたが同じような述懐を漏らしてしまうのは私もそれなりの歳をとったということですね。

今日の話題は「雲が生まれた時」。雲が出来る理由はいくつかあります。台風や熱帯低気圧の場合は、温度の高い海水が蒸発して上昇する過程で周りの空気を巻き込みながらだんだん強い上昇気流を生じて上空に雲が出来るケースです。海水温の高い場所で上昇気流が非常に強く周りの空気を巻き込みながら上空でインフレーション的に雲が出来るのが台風です。なので海水温の低い高緯度地方になるにしたがって台風は弱くなります。

一方で山沿いで発生する雲は少し成り立ちが違います。山に向かって湿った空気が風として吹き付けると山に沿って登りながら温度が下がり水分は凝集します。これは雲ではなくて霧です。十分に気温が高い場合には霧と霧にならなかった水分は更に上昇して雲になります。台風とは異なって上昇した雲を支える上昇気流がそれほど大きくないので雲が発生するとすぐに降雨や降雪として落下してきます。

写真は奥多摩で撮影した山沿いで霧→雲が発生している瞬間。暢気に撮影していたらこのあと土砂降りになりました。理屈が分かっていても土砂降りに降られる科学技術部長は大丈夫か?

雲で思い出しました。核爆弾による巨大な熱エネルギーは強烈な上昇気流を生んでこれも雲を発生させる原因になり得ます。8月9日は長崎原爆忌。合掌。

奥多摩で雲が発生した瞬間
奥多摩で雲が発生した瞬間