「実りの秋」というには少し早いような気がしますが、出かけた先の千葉県香取市の田んぼでは稲刈りの最中でした。調べてみると香取市は利根川の水を利用した早場米の栽培が盛んだそうで、だからもう稲刈りだったようです。写真は収穫直前の田んぼです。隣ではコンバインが刈り取り中でした。
近年はコメの保存技術が向上し早場米は昔ほど喜ばれないのかもしれませんが、それでも少しでも当年の新物を食べたいという人には嬉しいものでしょう。早場米といえば科学技術部長の実家のある高知県も有名です。但しコメの消費量全体が減ってきて、農家が高齢化してくるにつれて田んぼは畑になって一括で借り上げた農協や農業法人がショウガ、ミョウガなどの栽培をすることの方が増えているようです。
それでもたわわに実った穂の頭を下げている様子は心躍ります。今でこそ、借り入れはコンバインで機械化されていますが、昔ならば家族、近所総出で刈り取りを行ったことでしょう。勿論、刈り取り終わったら今年の豊穣に感謝し来年の収穫を祈って秋祭りが催されたと思うと心が少し踊ります。今は高齢化による離農に加えて機械化と個人主義の進展でそんなこともなくなりつつあるかもしれません。
日本古来の美称、「豊芦原瑞穂国」がその実質として失われつつあるとは思いたくありません。それは農業だけの話ではありません。個々人が社会や人々のためになるという共通の目標をもって協働し、得られた成果を折節に共に率直に祝う。科技研はそういう企業でありたいです。