雲隠れにし夜半の月かな

ではなく、「雲隠れにし初夏の富士かな」

めぐりあいて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな
は百人一首にもとられている紫式部の一種ですね。意味は「せっかく来てくれたけど早々に帰って行ってしまって会ったとも思われないうちに帰って行ってしまった」を採ります。

この歌は新古今和歌集に採られており女友達があわただしく帰って行った際に詠んだとの前書きがあるそうです。確かに百人一首の女流歌人によるしっとりとした恋歌に比べて、帰ってしまった友人の後に残されてちょっとポカンとしているような風情のある面白い歌ですね。

翻って写真は雲隠れにし初夏の富士。撮影は柳沢峠です。この峠からは富士山が非常によく見える(外部の科学技術部長の趣味のサイト)のですが生憎この日は雲隠れ。梅雨のこの時期ですから中々美しく見えるというタイミングには行き当たりません。新緑と空の青、雲の白が印象的な写真ですが雲の白の奥に富士山が隠れています。

実はこの後、甲府盆地に下ってあちこち行きました(一部道に迷った)がその際、姿を現してくれたのは…また後日写真掲載しようと思います。

雲隠れにし初夏の富士山
雲隠れにし初夏の富士山