ウッカリに気をつけましょう!

ウッカリに気をつけましょう!

− 株式会社を起業した方へ −

この情報は、2002年9月現在のものなので、その後、変わることがあります。


会社を設立し人材を養成し商品開発を行い、宣伝・広告を打ち、販売を開始して営業収入を得る。
仕入れ代金や人件費、諸経費等を支払い、収支を計算してキャッシュフローを常に 正確に把握し、運転資金がショートしないように心を砕く。どうすれば経営を軌道に乗せられるか日夜、四苦八苦していると2年や3年なんてすぐに経ってしま うものです。
一度立ち上げれば会社を維持、発展させるために粉骨を惜しまずに働き、社会での 責任の一端を果たすため住民税や社会保険等をきちんと支払うことは起業人として常識です。大変ですがしかたありません。
しかし、会社としての努めがこれだけかと言うとそうではなく、実はまだまだある のです。創業したての企業がウッカリ(最 初から知らないということもある)して後から慌てることの最たるものは税務署と法務局に関してです。これらへの届け出や届出時期、納付や納付時期を誤ると とんでもないことになります。突然、不納付加算税や過料を取られ本当にびっくりしてしまうことでしょう。ここらが起業後で注意しなければいけない点です ね。


創業年数が長く、経済的にゆとりのある企業であれば、常時、司法書士さんや会計 事務所とコンサルタント契約を結び、何かあれば(各種届け出や納付、手続等)、知らせてくれるか代行してくれます。しかし、若い企業では自分達が気をつけるしかありません。次期優良企業になるためにも、次のよう なウッカリにはくれぐれもご注意ください。



◆取締役と監査役の変更届け
− 法務局 −

創業時と同一の取締役や監査役がその引き続き役職を継続(重任)しても、また会社が休業中の場合でも

【役員の法定任期】
●取締役は2年毎に改選
●監査役は3年毎に改選
●但し、設立当初は取締役・監査役とも1年以内に改選
●変更が生じた2週間以内に変更登記手続すること

しなければなりません。これは、登記簿を作成し1万円の印紙を貼り法務局に提出するという作業のことを言います。


ウッカリしてこれを忘れると商法違反で後から過料(軽い過行政罰、あやまち料)を取られますから、気をつけましょう。数万円〜100万円までの間で罰金が 取られます。

期限が過ぎてから気付いて登記簿を提出した場合ですが、窓口は機嫌良く受け取ってくれますが、後日地方裁判所から過料決定書が送られる 可能性もあります。

ウッカリしないための対策としては役職の期間に十分気をつけましょう。


例えば、
平成10年12月2日創業の会社の場合、
役職者全員が重任したとしても届出を下記期間内に行なわなければなりません。

期限内は重任で良いのですが、期限が過ぎてしまった場合は、一旦退任後、就任ということになります。詳しくは法務局で相談した方が良いでしょう。

【取締役】 任期例


●平成10年12月2日〜平成11年6月11日等*   重任   
●平成11年 6月11日〜平成13年 6月10日等* 重任
●平成13年 6月10日〜平成15年 6月9日等* 重任
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【監査役】 任期例
●平成10年12月 2日〜平成11年 6月11日等* 重任
●平成11年 6月11日〜平成14年 6月10日等* 重任
●平成14年 6月10日〜平成17年 6月9日等* 重任
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*その日見当ということで、別にその日である必要はありません。
3月決算企業の場合は、通常6月中旬頃に株主総会を開催しますのでその時期を勘案して行ないます。

所得税の源泉徴収税
− 税務署 −

年2回の源泉所得税** の納付は企業自身で所得税を計算して銀行や郵便局に期限内に納付しなければなりま せん。分からない場合は税務署に相談された方が良いでしょう。

【源泉徴収税の納期】
● 1月〜 6月支払分は……7月10日まで
● 7月〜12月支払分は・…翌年の1月10日まで
     (納期限の特例の適用がある場合は1月20日まで)

ウッカリして期限までに納付しないと法定納期限が過ぎているということで、不納付加算税が賦課されます。但し、例外措置として次の条件に合えば加算金は取られないようですみます。

【例外措置】


●正当な理由があると認められる場合
●法定納期限の翌日から起算して1ケ月以内に納付され、下記のいづれかに該当するとき、
1)その直前1年分について納付の遅延をしたことがないこと
2)新たに源泉徴収義務者となり初回の納期の場合  

**給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(国税 収納金・整理 資金)のことです。従業員の給与から会社が天引きしている所得のことです。