撮影協力：ズーラシア動物園
ワイの正体は…
答え：マレーバク(Malay獏）
大きな紙おむつをした牛ではありません。
ショートショート「夢を喰う」：中国伝説上の動物「獏(バク)」は、「悪夢を払う」とされましたが、伝来した日本では「悪夢を食べる」になりました。中国で動物のバクと言えばマレーバクをさしますが、マレーバクは草食動物なので、「草じゃなく人間の悪夢なんて食べさせらたらたまらん」と独りごちています。
| マレーバク(Malay獏)は、マレー半島等、熱帯雨林の沼沢地に生息する哺乳綱ウマ目バク科バク属マレーバク種の草食動物です。バク属のみで１科を成します。アジアに生息する唯一のバクです。ウマ目で後足の指数は3本と奇数ですが、前足の指数はなぜか4本あります。同じウマ目にはサイ（犀ーインド犀、ミナミシロ犀、クロ犀）や馬がいます。マレーバクの体色は全身黒で、胴体部のみが白い体毛に覆われた白・黒ツートンカラーをしています。但し、子供の頃は黒地に白い斑点や縞模様があり、半年で消えその後は成体と同じ体色となります。これは生息地の深い森林内での暗闇や日中の木洩れ日に紛れ込みやすく外敵の目を欺くためのカモフラージュとなります。目は小さく鼻は象のように上唇が変形したものですが、さほど長くありません。日常生活では単独またはペアーで暮らし夜間に行動します。食べ物は主に草や水草で果物も少し食べる植物食性です。野生下では有毒植物があるため一度に同じ植物を大量に摂取することはありません。食べる時は鼻を使います。天敵は同じ地域に生息する虎(トラ)や豹(ヒョウ)がいます。 同属にアメリカバクがいます。バクと言うと中国から日本に伝来した伝説上(想像上)の動物「獏(バク)」がおり、このマレーバクではないかと言われます。中国の伝説上の獏は「悪夢を払う」とされましたが、日本では独自解釈されて「悪夢を食べる」となりました。 |
| 一般名：マレーバク(Malay獏)、学名：Tapirus indicus、分類名：哺乳綱獣亜綱ウマ目バク科バク属マレーバク種、別名：Malayan Tapir、Asian Tapir、生息分布：マレー半島、スマトラ島の熱帯雨林、環境：沼沢地の水辺、体長：約2m、体重：約300kg、肩高：約1m、尾長：8cm前後、体色：白黒ツートンカラー(全身黒く胴体のみ白)、仔の体色：黒地に白い斑点や縞模様があるが半年で消える、目：小さい、鼻：上唇が変化したものでさほど長くない、後脚指数：3本、前脚数：4本、行動：夜行性、集団生活：単独かペアー、食性：草、水草、果物等、繁殖方法：胎生、雌が一度に産む子の数：1仔、備考：危急種。 |
