都会や海岸線から見る月は、地平線や水平線から上ったばかりの夕月と、
さらに時間が経過した後の夕陽では、月の色が異なってみえます。
出たばかりの月は赤っぽく、高く上った月は黄白く見えます。
月が赤く見える現象はミー散乱(Mie-Streuung)という現象で、
粒子の粒径が衝突する光の波長より短く、波長の1/10程度より大きい時に起こります。
丁度、地平線では都市を覆う微粒子、海岸線の水平線近くでは
潮に含まれて飛散する水滴や
塩分などの粒子の径がこれに当たるので月が赤く見えます。
なお月が上空では通常黄白く見えるのは月の岩石の色を反映しています。
赤い岩石が主体の火星はMie散乱は関係なく上空でも赤く見えます。
また、ミー散乱は、雲の粒子(氷滴、水滴)の大きさがこの範囲に入る場合、
上空でも発生します。但し上空にこのような粒子があるときは
天気が悪い可能性が高いので月そのものを見ることが出来ません。 ⇒
ミー散乱のシミュレーション例
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