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新しい津波検出手法の開発(2017年5月19日)

今日取り上げるのはNASAがイタリアのSapienza大学と共同で研究している新しいリアルタイムの津波検出手法です。この検出手法は津波が発生した時にある程度の規模に達すると、津波のうねりの発生によって重力波が発生しその影響が電離圏の電子密度に変化を及ぼすことを利用しています。

この手法の大きな利点は電離圏の電子密度の揺らぎを検出しているために、天候に関係なく観測できる点です。常に晴れているのであれば直接観測で津波をとらえることが出来ますが、雲がかかっているとそれが出来ません。人工衛星から見ると雲は多くの水分を含んでいるため、可視光(いわゆる光)は反射してしまいますし、マイクロ波(電波)は吸収されてしまいます。またX線は電離圏を透過できない(おかげで動物が無事に生きられる)ので観測に使うことが出来ません。

これが実用化できればかなり画期的ですが、ニュース元のサイトの画像を見る限り、確かに津波と関連して電子密度の揺らぎは発生しているように見えますが津波の波頭と電離圏電子密度の相関性が今一つ低いように見えます。まだまだ実用化には多くの課題を残しているようです。

とはいえ、観測手法に関して新しいアプローチの可能性を示した点で大変興味深いニュースだと思います。

ニュース元(NASA)
https://www.nasa.gov/feature/jpl/scientists-look-to-skies-to-improve-tsunami-detection

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