宇宙でがん研究(2017年6月16日 藤田明希)
がん細胞が体内にある時とシャーレの上で培養された時では形状や特性が異なって、研究時に誤った「発見」をしてしまうことがあるそうです。この問題を解決するためにNASAは重力がほとんどかからない宇宙空間でのがん細胞研究を行っています。
がん細胞は体内では組織の中に浮いているような状態にあるため、シャーレ上に培養した場合は重力の影響があるよりも重力がほとんどない宇宙空間で研究した方が体内の状態をよく再現するとのこと、かなり驚きです。
この研究の当面の目的はがん細胞の特性、特に複数の薬剤に対する反応の研究などです。例えばがん細胞を攻撃する薬と、正常な細胞を守るための薬を同時に投与した場合にどのようなことが起こるか実験しています。この試みがうまくいけば抗がん剤の副作用、例えば吐き気や倦怠感、脱毛などを軽減できるかもしれません。
日本の研究者の場合どうしても経済性や目先の実用性をアピールしがちです。一方、この研究の重要性として深宇宙への人類進出時におけるがん治療ということが言及されているのが如何にもNASAらしくて良いです。
ニュース元 NASA
Investigation Tests Drug to Activate Immune System, Help Fight Cancer