1. HOME
  2. ブログ
  3. ピックアップニュース
  4. ネアンデルタール人の母は現生人類かも(2017年7月5日 藤田明希)

ブログ

ピックアップニュース

ネアンデルタール人の母は現生人類かも(2017年7月5日 藤田明希)

ネアンデルタール人と現生人類はひょっとすると別種というほど遠い存在ではなかったかもしれません。そんな記事がScienceのニュースで紹介されています。

ホーレンシュタインーシュターデル洞窟(HST)で見つかったネアンデルタール人と他のネアンデルタール人と現生人類(ホモ・サピエンス)のミトコンドリアDNA(mtDNA)を比較するとHSTネアンデルタール人のそれは古いネアンデルタール人のそれと明らかに違っていました。研究者はこの結果や経時的なmtDNAの変化を考慮すると22万年前にはHSTネアンデルタール人は他のネアンデルタール人からmtDNAの点では分離していたと結論付けています。

何故分離したか。アフリカから進出してきたホモ・サピエンスのmtDNAがHSTネアンデルタール人が旧来持っていたmtDNAに置き換わったからだと研究者の一人はコメントしています。つまり、ホモ・サピエンスの女性とHSTネアンデルタール人の男性が交わって子供を産み育て、その子孫がHSTネアンデルタール人では残っていったのです。

これは私の想像ですが一組だけがそのようになったのではなく多数の組み合わせであったのでしょう。逆のケース、つまりホモ・サピエンスの男性とHSTネアンデルタール人の女性の組み合わせがちょっと少なかったために母親の形質が全面的に遺伝するmtDNAにおいてはHSTネアンデルタール人のmtDNAがホモ・サピエンスに近いものが引き継がれていったのでしょう。

こう考えると、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスを分けるのは何?と思ってしまいます。

ニュース元 Science
Neandertals and modern humans started mating early

関連記事