形態学のルネッサンス(2017年7月10日 藤田明希)
かぎけん花図鑑の分類はゲノムレベルの進化過程を考慮したAPG体系を採用しています。もちろんゲノム研究が進む以前にも花の分類はされていて植物の形を主とする特徴の類似性を研究する形態学の知見が元となっていました。
つまりAPG体系の研究が進むと形態学の研究者にとっては研究の分野がある意味でなくなっていく状況でした。その状況に反して形態学の成果を過去の気象を推定するために用いるという研究がNatureに取り上げられています。
化石植物の植生を調べるとその地点、その時代の大まかな気象が分かりますが、その葉の形を詳しく調べるとより細かな気象状況が推定できます。例えばカエデを例にとると冷涼で十分に湿潤な環境で育った場合、大きめの葉となり葉の切れ込みの間のギザギザが深い、などです。
この記事の印象的な点は、分類という目標を失った形態学は死にかけているように見えたが、そうではなくルネッサンス(=新時代)を迎えているのだと強調している点です。常に研究の分野は古くなるという宿命を持っていますが、意欲的な研究者がいる限りルネッサンスを興すことが出来るというのは心強い限りです。
ニュース元 Nature
Massive database of 182,000 leaves is helping predict plants’ family trees