葉はナノ構造のスグレモノ🥔万葉集草木シリーズ101.芋
サトイモ (里芋、学名:Colocasia esculenta ‘Ishikawa-wase’)はマレーなど東南アジア原産で サトイモ科 サトイモ 属の非耐寒性多年草です。万葉時代から栽培されている根菜で塊茎(かいけい)部が肥大した芋を食用とします。葉は緑色で、葉長が30〜50 cmの細長い大きな心臓形で、葉質は厚く撥水性があり、葉縁は全縁で波打ち、葉脈は平行に入ります。サトイモや、ハス、フキ、ササ(笹)などの葉は全表面が無数の微細な突起毛で覆われ表面にある水を水玉状にしてその中に汚れを閉じ込めて自然に落下させて排除する力があります。これをこのロータス効果と呼びますが、この撥水性能を模擬して物質の表面にナノ構造の凹凸を作って構造を再現しました。この撥水性を工業化して雨傘や雨靴、レインコート等の防水撥水性衣類や日用品、屋根や壁の塗装用品など高機能性の工業製品が作り出されました。万葉集ではハスとサトイモをたまたま?戯れ歌で歌った1首があります(後述)。
万葉集と芋
宴席の即興歌で長意吉麻呂が詠んだ1首です。宴会ならではのお題を適当に振られただけとかで、さほど内容に意味がないかもしれません。ただ、ハスとサトイモの葉には、共通して撥水性(水を弾く)というロータス効果(Lotus effect)があるのは興味深いことです。
万葉集 第16巻 3826番歌
作者:長忌寸意吉麻呂(ながのいみきおきまろ)
題詞:詠荷葉歌
登場する植物:さと芋(うも)とハス
原文
蓮葉者 如是許曽有物 意吉麻呂之 家在物者 宇毛乃葉尓有之
読
蓮葉(はちすば)者(は) 如(かく)是(こ)許(そ)曽有(ある)物(もの) 意吉麻呂之(が) 家在(なる)物者(は) 宇毛(うも)乃(の)葉(は)尓(に)有(あら)之(し)
↓
蓮葉(はちすば)は 如(かく)こそあるもの 意吉麻呂(おきまろ)が 家なるものは 芋(うも)の葉にあらし
訳
蓮の葉は このようなものだから 私、意吉麻呂(おきまろ)の 家にあるものは きっと芋(サトイモ)の葉だろうな。
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