お題は6種の植物!? 万葉集草木シリーズ48.ナツメ
ナツメ(棗、学名:Ziziphus jujuba)は、クロウメモドキ科ナツメ属の落葉性小高木です。果実はそのまま生食、あるいは、乾燥させてドライフルーツの”なつめ”として食べたり、菓子に入れたり、薬膳食の材料、ナツメ茶とされます。ナツメの万葉名も「棗」です。
万葉集 第16巻 3834番歌
作者:作者不詳 題詞:作主未詳歌一首
作者、題詞共に不明です。おそらく、宴席で出されたお題に対して作られた戯れの歌のようです。歌の解釈は各人各様で違うと思われます。
ここでは2つの意味を取りあげました。
原文
成棗 寸三二粟嗣 延田葛乃 後毛将相跡 葵花咲
読み
成(梨)棗(なつめ) 寸三(黍、君)二(に) 粟(あわ、逢わ)嗣(次ぎ) 延(這う)
田葛(くず)乃(の) 後(のち)毛(も) 将相(会わん)跡(と) 葵(あふひ、逢う日)花咲
↓
梨(なし)、棗(なつめ)、黍(きび)に 粟(あわ)次ぎ 這う田葛(くず)の 後も逢はむと 葵(あうひ、逢う日)花咲く
意味
1)植物名2種リレー
梨(なし)、棗(なつめ)、黍(きび)に粟(あわ)次ぎ、這う葛(くず)の、のち(後)も逢わんと、葵(あうひ)花咲く
2)あなたに会いたい
離れてる(梨棗→離早、りそう)君に逢えず、這う葛(くず)の、のち(後)も逢おうと、葵花咲く
■関連ページ
お題は6種の植物!? 万葉集草木シリーズ48.ナツメ かぎけん花図鑑 花日記2023年2月4日
特集 万葉集でよまれた草木