ぱっと咲いてぱっと散る!? 万葉集草木53.ヤマザクラ
万葉時代に、桜と言えば「山桜」だったようです。ソメイヨシノ(染井吉野、学名:Cerasus ×yedoensis cv. yedoensis)は明治時代になってから交雑種として生まれた品種です。
赤い若葉と白花が同居
ヤマザクラ(山桜、学名:Prunus jamasakura)は、日本原産でバラ科サクラ属の落葉高木「桜」の11種ある原種の一つです。赤みがかった葉が出てから、花が咲きます。他の桜の品種は、花が咲いてから葉が出ます。
万葉集第8巻 1425番歌
ヤマザクラは万葉集でも詠われています。万葉名は「山桜(花)」です。
作者:山部宿禰赤人(やまべのすくねあかひと)、題詞:山部宿祢赤人歌1首
原文
足比奇乃 山櫻花 日並而 如是開有者 甚戀目夜裳
よみ
足比奇(あしひき)乃(の) 山桜花(やまさくらばな) 日(ひ)並(ならべ)而(て) 如是(かく)開(咲き)有(たら)者(ば) 甚(いと)戀(恋)目(め)夜裳(やも)
↓
あしひきの山桜花(やまさくらばな) 日並べて かく咲きたらば いと恋めやも
意味
(あしひきの)山桜が 毎日咲くならば どうして恋するだろうか。いやしない。
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