旅人さんが妻を悼んだ挽歌!?万葉集草木60.ネズ
ネズ(杜松、学名:Juniperus rigida)は中国、モンゴル、韓国、日本、ロシア原産で、ヒノキ科ビャクシン属の常緑針葉小高木です。ネズミサシや、ムロ、ムロノキ、モロノキとも呼ばれます。
万葉集でよまれた草木「むろ=ねずみさし」
万葉集では「むろ」「むろのき」と読まれています。
万葉集 第3巻 446番歌
詠み人:大伴旅人
題詞:天平二年庚午冬十二月大宰帥大伴卿向京上道之時作歌
原文
吾妹子之 見師鞆浦之 天木香樹者 常世有跡 見之人曽奈吉
読み
吾妹子之(が) 見師(し)鞆(ともの)浦(うら)之(の) 天木香(むろの)樹(木)者(は) 常世(に)有跡(れど) 見之(し)人曽(ぞ)奈吉(なき)
↓
我妹子(わぎもこ)が 見し鞆(とも)の浦の むろの木は 常世(とこよ)にあれど 見し人ぞなき。
意味
私の妻(大伴郎女)が 見た鞆の浦の むろの木は 変わらずここにあるが それを見た妻は死んでしまった。
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