刀を差して若菜摘🌱😆万葉集草木シリーズ92.芹
セリ(芹、学名:Oenanthe javanica )とは、日本原産でセリ科セリ属の湿地性多年草です。日本原産とは言え、種小名に「javanica」とあり「ジャワ島の」が基準標本なので、史前帰化植物かもしれません。日本全国の田んぼや畦道などに自生します。開花は夏ですが、春の若い茎葉を野菜とするので春の七草の一つとされます。
■万葉集とセリ2
万葉集とセリ1では贈歌が詠われましたが、これはそれに対する返歌です。
セリ2 万葉集 第20巻 4456番歌
作者:薩妙觀命婦(さつのみょうかんみょうぶ)
題詞:天平元年班田之時使葛城王従山背國薩妙觀命婦報贈歌一首
(薩妙觀命婦が前歌に報えて贈ってきた歌:万葉集 第20巻 4455番歌への返歌)
セリ2 原文
麻須良乎等 於毛敝流母能乎 多知波吉弖 可尓波乃多為尓 世理曽都美家流
セリ2 読
麻須良乎(大夫)等(と) 於毛敝流(思へる)母能乎(ものを) 多知(太刀)波吉弖(佩きて) 可尓波乃(の)多為(田居)尓(に) 世理(芹)曽(ぞ)都美(摘み)家流(ける)
↓
大夫(ますらお)と 思へるものを 太刀佩きて 可尓波(かには)の田居に 芹ぞ摘みける
セリ2 意味
立派な方と 思われているのに 太刀を腰にさして 可尓波(かには)の田んぼで 芹子(せり)なんか摘んでらしたのね。
可尓波とは京都府木津川市内にあった地名。
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