万葉集と草木染3-桃色🌱万葉集草木121.鶏頭
ケイトウ(鶏頭)という名前が、花名の一部に付く花には、ヒユ科ケイトウ属(Celosia)とヒユ科ヒユ属(Amaranthus)のがあり、その種類と一覧を特集 ’花名にケイトウと名前が付く花’ にのせます。
ケイトウ(鶏頭、学名:Celosia cristata)とは、アジアとアフリカ原産でヒユ科ケイトウ属の非耐寒性一年草(原産地では多年草)です。他の多くの花と同様、原産地では多年草ですが、日本の気候では花後に枯れてしまうので一年草として扱われます。鶏頭は万葉時代には既に、中国、韓国(からの国)を通じ日本に渡来しており、「韓藍(カラアイ)」と呼ばれていました。日本全国の庭で咲いています。茎が太く葉は卵状被針形で互生します。現在の和名は 花穂が鶏の鶏冠に似ていることに拠ります。万葉時代に鶏頭(ケイトウ)は花の赤い部分だけでなく葉も写し染めに使われました。赤い花を使った鶏頭染めは綺麗なピンクに染めあがります。
万葉集と鶏頭
万葉集 第3巻 384番歌
作者 :山部宿祢赤人(やまべのすくねあかひと)
題詞 山部宿祢赤人歌一首
原文
吾屋戸尓 韓藍種生之 雖干 不懲而亦毛 将蒔登曽念
訓み
吾(我が)屋戸(宿)尓(に) 韓藍種(まき)生(ほ)之(し) 雖干(枯れぬれど) 不懲(こりず)而(て)亦(また)毛(も) 将蒔(かん)登(と)曽(ぞ)念(思ふ)
↓
我家に 韓藍(からあい)蒔き生(お)ほし 枯れぬれど 懲りずてまたも 蒔かむとぞ思ふ
意味
我家の庭に 鶏頭(韓藍)の種を播いて育てたが 枯れてしまった 懲りずにまた 種を蒔こうと思う。
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