花ら79. 春には白花、秋には赤い実 蒲染
ガマズミ(蒲染、学名:Viburnum dilatatum)は、日本・朝鮮半島・中国原産で、レンプクソウ科ガマズミ属の耐寒性落葉広葉低木です。北海道南西部~本州、四国、九州の山野の日当たりの良い林縁に自生します。中国名では莢蒾(キュウメイ)と言います。
ガマズミの樹高は300~500 cmです。長い葉柄の先に付く葉は深緑色で長さ5~15 cmの広い卵形で表面に特徴的な凹凸があり葉縁に浅鋸歯があり枝に対生します。
春には白花、秋には赤い実
5月~6月に葉腋から花穂を伸ばしラッパ状で先端が5裂した芳香のある白い集合花を咲かせます。小花は花径0.5~0.8 cmでそれらが集合した花序は花径5~10 cmです。秋には葉が紅葉します。
9月~11月に小さな卵形の赤い果実が沢山成ります。果実はジュースや、果実酒、生け花、切り花、鳥の餌、食品や衣類の着色料、薬草(疲労回復、滋養強壮)、熟したものは生食できます。
牧野富太郎博士とガマズミの関係
牧野富太郎博士は「万葉集 第7巻 1344番歌」に出て来る「菅」は「すが」であり「ガマズミ」であるとし、昔、「ミヤマガマズミ」の果実が衣類の染料に使われたことがあるのでカマズミの「ズミ」は「染め」が転訛したものではないかと論じられています。
万葉集 第7巻 1344番歌
原文:真鳥住 卯名手之神社之 菅根乎 衣尓書付 令服兒欲得
読み:真鳥(鷲)が住む 卯名手(うてな)の神社の菅の根を 衣に書きつけ 着せる子もがも
意味:鷲(わし)が住む 河俣神社の菅の根(ガマズミ)で 染めた羽織を 着せてくれる彼女が欲しい(?)
ガマズミの名前の由来や花言葉などの詳細は、こちらをご覧ください。
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