万152.万葉集とノキシノブ
万葉集の草木シリーズ152話
ノキシノブ(軒忍、学名:Lepisorus thunbergianus)は、日本他原産でウラボシ科ノキシノブ属に属する常緑着生シダ植物です。ノキシノブ属の総称としても使われます。日本全国の山野の湿った樹皮や崖、地表などに着生します。着生とは場所を借りているだけで、水分や養分を奪う「寄生」とは異なります。昔は、その名の由来にもなったように、軒下に生えていましたが、今は生えていません。
草丈は5~20cmです。葉は線形で緑色をしており、葉縁に鋸歯があり先端は尖ります。シダ植物なので花や種子の代わりに、12月~4月に葉裏に黄褐色で丸い胞子嚢ができ、胞子を飛ばして増殖します。ソーラス(胞子嚢群)は葉裏上半分の中脈と葉縁の間にあります。
万葉集とノキシノブ
万葉集第11巻2475番歌
作者:柿本人麻呂歌集より
万葉名:シダクサ
原文
我屋戸 甍子太草 雖生 戀忘草 見未生
読み.
我が宿の 軒にしだ草 生ひたれど 恋忘れ草 見れどいまだ生ひず
意味:
我が家の 軒下に しだ草は生えてきたけれど 恋忘れ草は 見てもまだ生えてこない。
(恋したあの人のことを忘れられません。「恋忘れ草」とは「ヤブカンゾウ」のことです。)
私が恋忘れ草=ヤブカンゾウです。
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