サザンカ (山茶花)|かぎけんWEB

サザンカ (山茶花、学名:Camellia sasanqua)とは、日本固有種で、ツバキ科ツバキ属の常緑広葉中木です。
ツバキとサザンカの違い

■サザンカ (山茶花)とは

サザンカ (山茶花、学名:Camellia sasanqua)とは、日本固有種で、ツバキ科ツバキ属の常緑広葉中木です。 ツバキ科ツバキ属なのでツバキ(椿、学名:Camellia japonica)とよく似ています。
日本では、本州山口県以南、四国、九州、沖縄の山地に自生します。他の花が咲かない冬季に咲く貴重な花です。 日本の自生種は白ですが、園芸品種には桃色や赤もあります。原種と園芸品種含めて300種あると言われます。
属名の”Camellia”はチェコの植物学者Georg Joseph 「Kamel」(ゲオルク・ヨーゼフ・カメル)氏への献名、種小名”sasanqua”は日本語の「サザンカ」よりの命名。

■サザンカの分類

第1群 : サザンカ品種群、第2群ー カンツバキ品種群、第3群ー ハルサザンカ系園芸品種群、その他少数ですがタゴトノツキ品種群や海外品種群 があります。

●第1群:サザンカ品種群【EOS】

野生のサザンカに似ている品種。国立歴史民俗博物館「くらしの植物苑」サザンカ展、2020年12月26日

アゲハノチョウ(揚羽の蝶) 「アゲハノチョウ(揚羽の蝶)
サザンカ サザンカ群'アゲハノチョウ(揚羽の蝶)'

白花、紅のぼかし、花弁の多い一重

ケイウン(慶雲) ケイウン(慶雲)
肥後サザンカ サザンカ群 ケイウン、けいうん'慶雲'

幹は真っ直ぐ上に伸び、樹高180cm、花は一重、白地に濃紅ぼかし模様が入る、
大輪花、花径10cm、11月〜12月、熊本

ササダベニ(笹田紅) ササダベニ(笹田紅)
ササダベニ(笹田紅) ササダベニ(笹田紅)
サザンカ サザンカ群「ササダベニ(笹田紅)」

一重、平開咲き→平開時に花弁が捩じれます、鮮紅色、中輪、開花期11月〜12月、原産地:静岡県

サザンカ'ミクニコウ(三国紅)' サザンカ'ミクニコウ(三国紅)'
第1群:サザンカ品種群 江戸サザンカ 'ミクニコウ(三国紅)'
自生種に近い品種、暗紅色、一重、中輪、開花期:11〜12月、中輪、花弁は平開後に後方へ反転する、
花名は園芸品種の誕生地名(福井県三国湊町と花弁の色(紅色)から。


【canon25x】佐倉 第一種サザンカ品種群

「シチホウデン(七宝殿) 「シチホウデン(七宝殿) 「シチホウデン(七宝殿)
サザンカ サザンカ群シチホウデン(七宝殿)」―サザンカ品種群、濃桃色、一重、中輪、11〜12月


ハナガサ(花笠) ハナガサ(花笠)
サザンカ サザンカ群ハナガサ(花笠)」

サザンカ サザンカ品種群ハナガサ(花笠)」樹:立性、強い、枝はやや太い、葉形:長楕円、大形、花色雄:桃紅色、
重ね多い一重、平開咲き、早咲きの大輪、10〜12月、園芸品種誕生地:埼玉県、花大臣の実生から選抜したもの。


【eos、CANON25x】 亀戸中央公園 第3ハルサザンカ

山茶花 '笑顔' 笑顔 笑顔
山茶花 '笑顔(エガオ)'、亀戸中央公園、

開花期:12月上旬〜3月、花色:明桃色、花の形:八重咲、花の大きさ:大輪、ハルサザンカ群、備考:立性、用途:庭木、鉢植え



●サザンカ 第2群 : カンツバキ品種群 花弁数が多い

【canon25x】国立歴史民俗博物館「くらしの植物苑」サザンカ展

ヒクマオトメ(引馬乙女) ヒクマオトメ(引馬乙女)
サザンカ カンツバキ群「ヒクマオトメ(曳馬乙女)」
厚みのあるピンクの八重咲き品種


ヒクマオトメ(引馬乙女) ヒクマオトメ(引馬乙女)
サザンカ カンツバキ群「ムレコチョウ(群小蝶)」 濃桃色、11月〜12月、弁数の少ない八重咲き、小〜中輪、細い花弁が立ち上がる


【eos】国立歴史民俗博物館「くらしの植物苑」第2群カンツバキ品種銀

花弁数が多い

カンジロウ(勘次郎)
サザンカ カンツバキ群「カンジロウ(勘次郎)」(立寒椿)


ヒメシラギク(姫白菊) ヒメシラギク(姫白菊)
サザンカ カンツバキ群「ヒメシラギク(姫白菊)」、Camellia X hiemalis 'Himeshiragiku'
白花、八重咲き、小輪、11月〜12月開花



【canon25x】亀戸中央公園 カンツバキ群

昭和の栄 昭和の栄 昭和の栄
山茶花 '昭和の栄(ショウワノサカエ)'

開花期:秋〜冬、花色:濃桃色、花の形:千重咲、花の大きさ:中輪、カンツバキ群、
備考:枝張り良く旺盛、花つきよく花の形も派手な近代的な品種



サザンカ乙女 サザンカ乙女
山茶花 '乙女サザンカ'

開花期:12月〜3月、花色:明桃色、花の形:千重咲、花の大きさ:中輪、カンツバキ群

山茶花 '勘次郎(カンジロウ)' 山茶花 '勘次郎(カンジロウ)' 山茶花 '勘次郎(カンジロウ)
山茶花 '勘次郎(カンジロウ)'

開花期:12月〜2月、花色:紅色、花の形:八重咲、花の大きさ:中輪、(カンツバキ群)


山茶花 '獅子頭' 山茶花 '獅子頭'
山茶花 '獅子頭'=カンツバキ(寒椿)

開花期:11月下旬〜2月、花色:明るい紅色、花の形:八重咲、花の大きさ:中輪、カンツバキ群、備考:横張り性、用途:庭木、鉢植え、盆栽


山茶花 '立ち勘 山茶花 '立ち勘 山茶花 '立ち勘 山茶花 '立ち勘
山茶花 '立ち勘(タチカン)'=立寒椿、勘次郎の異名

開花期:秋〜冬、花色:紅色、花の形:千重咲→獅子咲、花の大きさ:中輪、(カンツバキ群)
備考:立ち性、用途:鉢植え、生垣、庭木

初光 初光 初光 初光 初光 初光
山茶花 '初光(ハツヒカリ)'

開花期:10月〜12月、花色:桃紅色(外弁)、白色(内弁)、花の形:千重咲、花の大きさ:大輪、(カンツバキ群)

富士の峰 富士の峰
山茶花 '富士の峰(フジノミネ)'

開花期:11月上旬〜1月、花色:白色、花の形:千重咲〜獅子咲、花の大きさ:中輪、カンツバキ群、
備考:横張り性、性質:寒さにやや弱い



●サザンカ 第3群ーハルサザンカ品種群

花の形が椿似で色が縦縞で着物柄

【EOS】伊豆大島公園

シンアズマニシキ(新東錦)
シンアズマニシキ(新東錦)
山茶花 新東錦(サザンカ シンアズマニシキ、'Shin azuma nishiki'、学名:Camellia sasanqua 'Shin azuma nishiki')


イラストで見る サザンとツバキの違い

イラストで見る。サザンとツバキの違い
イラストで見る。サザンとツバキの違い


サザンカの主要3群

では、サザンカの3つの主要園芸品種群を見てみましょう。


●サザンカ系園芸品種群

開花が早く終わるのも早い。開花期:10月〜12月、サザンカ(C. sasanqua)から作出された園芸品種。


●カンツバキ系園芸品種群

開花期:11月〜3月、カンツバキ群(Shishigashira)は、サザンカ(sasanqua、学名: Camellia sasanqua)とツバキ(椿、学名: Camellia japonica)の交雑種とそれから作出された品種群です。
主に、サザンカ‘獅子頭、学名:Camellia sasanqua 'Shishigashira' )を中心に作出されました。
園芸品種には、‘獅子頭’(シシガシラ、C. sasanqua ‘Shishigashira’)、山茶花 曳馬乙女(サザンカ 'ヒクマオトメ' 、学名:C. sasanqua 'Hikuma-otome')、山茶花 乙女(サザンカ 'オトメ'、学名:Camellia sasanqua 'Ome')、春山茶花 ”梅ケ香”(ハルサザンカ ’ウメガカ’、学名:Camellia x vernalis 'Umegaka')、‘笑顔’(エガオ、Camellia × vernalis ‘Egao’)などがあります。


●ハルサザンカ系園芸品種群

開花が遅く、咲き終わる時期も遅い。開花期:12月〜4月、 ツバキとサザンカの自然交配品種「ハルサザンカ(C. × vernalis)」から作出された品種群、
品種には春山茶花 ”梅ケ香”(ハルサザンカ ’ウメガカ’、学名:Camellia x vernalis 'Umegaka')、‘笑顔’(エガオ、Camellia × vernalis ‘Egao’)などがあります。


サザンカとツバキの違いと見分け方

サザンカは、同属同科のツバキ(椿、学名:Camellia japonica) と似ており、見分け方は難しいです。
一般t的に、ツバキとサザンカの見分ける方法は、サザンカには若枝や葉柄、葉の主脈上に短毛が生えていることや、葉は椿と比べるとやや小さいこと、サザンカの葉縁はギザギザしていること、散り方が山茶花の花弁はバラバラに散るのに対し椿は首から落ちるので地面に落ちた花弁で確認することが上げられます。 ツバキと同様、サザンカにも果実が成り油が採取されます。
両者の違いについては、「椿と山茶花の違い【かぎけんWEB】」に詳しいのでご参照ください。 属名の”Camellia”はチェコの植物学者Georg Joseph 「Kamel」(ゲオルク・ヨーゼフ・カメル)氏への献名、種小名”sasanqua”は日本語の「サザンカ」よりの命名。

花言葉は「ひたむきな愛」

一般名:サザンカ (山茶花)、学名:Camellia sasanqua 、別名:sasanqua 、イワハナビ(岩花火)、ヒメツバキ(姫椿)、ヤブサザンカ(藪山茶花)、分類名:植物界被子植物真正双子葉類ツツジ目ツバキ科ツバキ属サザンカ種、原産地:日本固有種 、日本での生息分布:本州山口県以南、四国、九州、沖縄の山地、生活型:耐寒性常緑広葉中木、樹高:2〜6 m、葉質:光沢があり厚い、葉形:楕円形、葉縁:鋸歯有、葉序:互生、放射対称、花弁:5〜7、子房:上位、雄蕊:多数、開花期:12月〜4月、花色:桃・赤 ・白、花径:3〜7 cm。


椿と山茶花の交雑種

サザンカとツバキの性質を受け継いだ 春サザンカ ”梅ケ香”(ハルサザンカ ’ウメガカ’、学名:Camellia x vernalis 'Umegaka')のような自然交配品種や、園芸的交雑種のカンツバキ(寒椿、学名:Camellia sasanqua 'Shishigashira' )があります。

■関連ページ

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●サザンカ

サザンカ(山茶花) サザンカ(山茶花) サザンカ(山茶花)落花
サザンカ(山茶花)
椿 と違って山茶花は花弁がバラバラになって落ちます。
城ヶ崎で、2009年12月19日


サザンカ (山茶花)

サザンカ (山茶花)
December 16, 2002/2002年12月16日、木場公園


サザンカ (山茶花)
サザンカ (山茶花)
サザンカ (山茶花) 薄桃色品種
11月麹町で


サザンカ (山茶花)
サザンカ (山茶花)
サザンカ (山茶花)
2004年11月23日、唐招提寺で