ガマズミ(蒲染、学名:Viburnum dilatatum)【かぎけんWEB】

ガマズミとは、スイカズラ科ガマズミ属の耐寒性落葉低木です。

ガマズミ(蒲染、学名:Viburnum dilatatum)

ガマズミ ガマズミ
ガマズミ


ガマズミとは

ガマズミ(蒲染、学名:Viburnum dilatatum)とは、日本・朝鮮半島・中国原産で、レンプクソウ科ガマズミ属の耐寒性落葉広葉低木です。日本では、北海道南西部〜本州、四国、九州の山野の日当たりの良い林縁に自生します。別名で、学名のビバーナム(Viburnum)や、英名のCranberry tree、Japanese bush cranberry、中国名では莢?(キュウメイ)と呼ばれます。ガマズミの樹高は300〜500 cmです。長い葉柄の先に付く葉は深緑色で長さ5〜15 cmの広い卵形で表面に特徴的な凹凸があり葉縁に浅鋸歯があり枝に対生します。

春に白花、秋に赤い実

5月〜6月に、散房花序を伸ばし、朱色の蕾が開花し、ラッパ状で先端が5裂した芳香のある白い集合花を咲かせます。小花は花径0.5〜0.8 cmで、それらが集合した花序は花径5〜10 cmです。秋に紅葉し、小さな卵形の赤い果実が成ります。

ガマズミの和名の由来と牧野富太郎博士

和名の由来は、実を噛むと酸っぱいので「噛む酸実」が転訛した、木が硬く鎌の柄にする実の酸っぱい木から「鎌酸実」など色々な説があります。 牧野富太郎博士は以下の「万葉集 第7巻 1344番歌」に出て来る「菅の根」は「すがのみ」が正しく「ガマズミ」の果実であるとしました。昔、「ミヤマガマズミ」の果実が衣類の染料に使われたことがあるので、カマズミの「ズミ」は「染め」が転訛したものではないかと論じています。 万葉集 第7巻 1344番歌 作者:不詳 原文:真鳥住 卯名手之神社之 菅根乎 衣尓書付 令服兒欲得 読み:真鳥(鷲)が住む 卯名手(うてな)の神社の菅の根を 衣に書きつけ 着せる子もがも 意味:鷲(わし)が住む 河俣神社の菅の根(ガマズミ)で 染めた羽織を 着せてくれる彼女が欲しい(?)

ガマズミの花言葉

ガマズミの花言葉は「結合」で、小花を密生させて寄り添うように咲くことから。

用途

木は鉢植えや庭植えに、枝は木工材に、葉はドライフラワーに、果実はジュース、果実酒、生け花、切り花、鳥の餌、食品や衣類の着色料、薬草(疲労回復、滋養強壮)、熟したものは生食できます。

一般名:ガマズミ(蒲染)、学名:Viburnum dilatatum、分類名:植物界被子植物真正双子葉類マツムシソウ目レンプクソウ科ガマズミ属、又名:ビバーナム、Linden viburnum、cranberry tree、Japanese bush cranberry、莢?(キュウメイ、中国名)、原産地:日本・朝鮮半島・中国、生息地:北海道南西部〜本州、四国、九州、生息分布:山野、生活環境:日当たりの良い林縁、樹高:300〜500 cm、樹皮色:灰褐色で滑らか、生活型:落葉広葉低木、葉柄長:長くい(1〜3cm)、托葉:無、葉色:深緑→紅葉、葉形:広卵形で先端尖り基部は楔形、葉身長:5〜15 cm、葉幅:3〜13cm、葉縁:浅鋸歯、葉序:対生、両性花、花序:散房花序、開花期:5月〜6月、小花(花冠)形:ラッパ状で先端5深裂、小花径(花冠径):0.5〜0.8 cm、花色:白、花序径:5〜10 cm、雄蕊:5本で花冠から突出、果実型:核果、果実形:卵形、果実色:赤、果実径:0.7 cm、果実観賞期:9月〜11月、用途:鉢植え、庭植え、薬用、葉はドライフラワーに、果実は薬草、生け花や切り花、鳥餌に。


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2007年06月03日、小石川植物園