ン、なんだい、これは



麹町便り



トラの尾にしては長すぎるし、だいいち太すぎる。黄色と黒色のこの縞々模様、一体なんだか分かりますか


「今日は良いお天気ね」
「光合成しとかなきゃ」
「あなた、ひょっとして植物
「私の部屋には一日中、日が射しませんからね」
「まあ精一杯、陽を浴びてスクスク育ってね、植物さん」
「はい。頑張りま〜す」

というような、いつもながら他愛無い会話を交わしつつ上智大学脇の歩道を歩いていました。

(右写真(1))


写真向かって左側が土手、右側が上智大学の市ヶ谷キャンパスです。この土手は麹町界隈では桜の名所として知られ、皇居の千鳥ヶ淵と並ぶ人気の花見スポットになっています。

麹町便り
(1)上智大学沿いの道路

右が上智大学四ツ谷キャンパス、左が桜の名所として人気の土手です。この土手の正式名称は、分かりません。この土手の上に問題のモノふぁあります。

今日は土曜日。これから新宿まで散歩がてら歩いて買物に出掛けます。

交通費を浮かすというか、よく言うと健康志向の私達です。麹町からはどこへ出掛けるにも往復2時間強は併記で歩行する人種なんですね(
除く、緊急時)。

「折角ですから土手の上を歩いて行きましょうか」


「そうね、お花見も兼ねてね」
「なんでも兼ねるのが好きな方ですね」
「効率重視の人と言って欲しいわ」

「それにしても随分、人出が多いですね」


「お花見のピークは過ぎたけど、今日はお天気が良いからね」
「花びらはだいぶと散っていますね」
((2)写真)
麹町便り
(2)上智大学脇の土手
お花見シーズンは多くの人出で賑わいます。
「まだ日が高いのに場所取りしてますね」
「ご苦労なこってす」
「プロパンまで準備している、凄いですね」
「お花見にネクタイなんか締めなくても良いのにね」
「会社関係の宴会じゃないじゃないですか」
((3)写真)
「あそこに咲いている黄色い花は何かしら」
((4)写真)
「ひょっとして私に聞いてます?」
「そうね。あなたに聞いたりして悪かったわ」
麹町便り
(3)場所取りする青年
プロパンまで準備して懲っています。

麹町便り
(4)レンギョウ(連翹)です。

「あっ、危ない
「きゃっ、なんでこんなところにこんなもんがあるのよ」
「私にそう言われても、...」

「もうちょっとでぶつかるところだったわ。危ないわね」
「私思いますに、人類史上これまで50人以上はぶつかってますね」

((5)写真)
麹町便り
(5)ん、なんだい、これは
と言うことで、これは土手の歩道に大きく張り出していた桜の大枝でした。張り出したというより、完全に道を横断しています。歩行者の注意を喚起するために黄色と黒色の縞々テープを巻いていたんですね。写真を見た瞬間にあなたは分かりましたか?
((6)写真)
麹町便り
(6)支柱
麹町便り
(6)頭上に注意!!
(上智大学前土手)
黄色と黒色の縞々テープを巻いた桜の大枝。よそ見をしてるとぶつかりますよ。
枝の方が先に存在していたのだから、人間の都合でむやみに切る訳にもゆきませんね。物凄く交通量が多くて危険という訳でもないですし。でも、時代が変わり、政治が変わり、ましてや一度でも事故が起きたら切られてしまうかもしれません。一寸先は闇とまでは言いませんがこの先何が起こるかは誰にも分かりません。でも人間よりは長く生き残るでしょう。自然は人間より強し。
 2002.4.5(金)