セツブンソウ(節分草、学名:Eranthis pinnatifida)は、日本原産で、キンポウゲ科セツブンソウ属の耐寒性多年草(球根植物)です。石灰岩地帯で落葉樹林帯の斜面に自生します。
セツブンソウという名前は、旧暦の節分に開花することに由来します。 早春に、直立した茎先端部に位置した総苞葉の中心から花茎を伸ばし、白い五弁花を1個付けます。これは、実際には花弁ではなく、萼です。実際の花は白い萼の中央にありますが、花弁が退化しており、先端が2又に分かれた黄色い蜜腺になっています。花弁の内側には青紫色の葯をつけた雄蕊が取り囲みます。花の中央に薄紅色をした雌蕊が突き出ます。全草に毒が有ります。
牧野富太郎博士とセツブンソウ セツブンソウとバイカオウレンの違い
植物学者の牧野富太郎博士が子どもの頃、バイカオウレン(花名をまだ知らない)の花が好きな母のために、間違え取ってきた花がセツブンソウでした。母の今際の際に間に合わせるため雪中からバイカオウレンと思って摘んできた花でした。
いずれの花も白い五弁花(実際には白い5枚の萼片)で、本当の花は中央にある葯みたいな、小さな黄色いものですし、開花時期が似ているので間違えても不思議ではありません。両者の花弁の写真を示し、違いを下に記します。
バイカオウレンとセツブンソウの違い
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バイカオウレン(梅花黄連
萼片に隙間が有る(萼同志が重ならない)、黄色い小さな花(本当の花)は先端で分裂せず蜜腺は5個。雄蕊先端の葯は黄緑色。苞葉は無い。葉は常緑。
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セツブンソウ(節分草)
萼片に隙間が無い(萼同志が重なる)、黄色い小さな花(本当の花)の先端が2又し蜜腺が10個ある。雄蕊先端の葯が青紫色。苞葉が有る、晩春に地上部が枯れて休眠する、
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セツブンソウの学名の意味
属名の「Eranthis」は、ラテン語で、「er(春)+anthos(花)」で、「春の花」という意味です。
種小名の「pinnatifida」は「羽状分裂の」の意味で、総苞片状の葉に由来します。
セツブンソウの花言葉
「微笑み」「光輝」
黄色い花を咲かせる
キバナセツブンソウ(黄花節分草)
もあります。
一般名:セツブンソウ(節分草)
、学名:Shibateranthis pinnatifida
、分類名:植物界被子植物門双子葉植物綱キンポウゲ目キンポウゲ科セツブンソウ属
、原産地:日本、生活型:耐寒性多年草、草丈:10cm 開花期:2〜3月 花色:白 花径:2cm
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>セツブンソウ(節分草)
東京都薬用植物園(2013年3月3日)
キバナセツブンソウ(黄花節分草)
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