バイカオウレン(梅花黄連、学名:Coptis quinquefolia)とは、日本固有種で、キンポウゲ科オウレン属バイカオウレン種の常緑多年草です。東北南部〜九州、四国の山間地の林縁に自生します。草丈は5〜10cmと低い。糸状の茎が地下を這って繁殖し葉を出します。
葉は5葉でウコギ(五加木)の葉に似ていることから、別名でゴカヨウオウレン(五加葉黄蓮)とも呼ばれます。
春に、細長く伸びた茶色い花茎先に梅花のような白花を咲かせます。しかし、この白花のように見えるのは萼で、本当の花は中央にある小さな黄色いさじ状のものです。花後には船の形をした袋果がなります。
仲間の黄連は漢方に使われますが、梅花黄連は残念ながら漢方には使われません。
■牧野富太郎博士とバイカオウレン セツブンソウとバイカオウレンの違い
植物学者の牧野富太郎博士は裏山に生えていたバイカオウレン(花名をまだ知らない)が好きでした。元はと言えば母が好きな花でしたが。 博士が子どもの頃、今際の際の母のために、雪中から間違えて摘んできたのはセツブンソウでした。
母が無くなり、春になって一面に咲くバイカオウレンの花を見て「この花の名前が知りたい」と強く思った博士のその後の植物に掛ける人生の羅針盤となった花です。
いずれの花も白い五弁花(実際には白い5枚の萼片)で、本当の花は中央にある葯みたいな、小さな黄色いものですし、開花時期が似ているので間違えても不思議ではありません。
両者の花弁の写真を示し、違いを下に記します。
バイカオウレンとセツブンソウの違い
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バイカオウレン(梅花黄連
萼片に隙間が有る(萼同志が重ならない)、黄色い小さな花(本当の花)は先端で分裂せず蜜腺は5個。雄蕊先端の葯は黄緑色。苞葉は無い。葉は常緑。
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セツブンソウ(節分草)
萼片に隙間が無い(萼同志が重なる)、黄色い小さな花(本当の花)の先端が2又し蜜腺が10個ある。雄蕊先端の葯が青紫色。苞葉が有る、晩春に地上部が枯れて休眠する、
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花名の由来
花名の由来は、オウレンの仲間で、花のように見える萼が梅花に似ていることによります。
オウレン属の花
オウレンの仲間には以下のものがあります。
オウレン(黄連、学名:Coptis japonica)ー薬草として知られる
キクバオウレン(菊葉黄連、学名:Coptis japonica var. anemonifolia)ー両性花、葉が菊葉に似ている
バイカオウレン(梅花黄連、学名:Coptis quinquefolia)−花が梅に似ている
コシジオウレン(越路黄蓮、学名:Coptis trifoliolata)
コセリバオウレン(小芹葉黄連、学名:Coptis japonica var. japonica)
セリバオウレン(芹葉黄連、学名:Coptis japonica var. dissecta)−葉がセリに似ている
一般名:バイカオウレン(梅花黄連)、学名:Coptis quinquefolia、分類名:植物界被子植物門双子葉植物綱キンポウゲ目キンポウゲ科オウレン属バイカオウレン種、別名:ゴカヨウオウレン(五加葉黄蓮)、分布:東北南部〜本州、四国の日本、環境:山間地の林縁、生活型:常緑多年草、草丈:5〜10cm、根出葉形:5枚の小葉(鳥足状複葉)、小葉形:ウコギ(五加木)に似た、基部が楔状で倒卵形をし3深裂する、葉柄:ほぼ無し、小葉質:やや厚く艶あり、小葉縁:鋭い鋸歯あり、雌雄異株、花茎色:褐色、萼径:1.5cm、開花期:3〜4月、萼色(花のように見えるもの):白、萼の付き方:花茎先端に1輪、萼片数:5枚、花形:さじ状(倒卵形)、花色:黄、果実形:船形、果実種類:袋果、袋果長:1cm
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赤塚植物園eos(2013年3月17日)
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