マコモとは
マコモ(真菰、学名:Zizania latifolia)は、中国原産で、イネ科マコモ属の大型の宿根性多年生の水生草本です。日本への渡来は縄文時代と言われ、遺跡からマコモの種子が検出されており、万葉集では「コモ(薦)」と呼ばれています。日本では北海道?九州の湖沼や、河川、溜池等の水辺に群生します。雌雄同株。春に伸びる匍匐枝(新芽)は土中を伸びるために先が角のように硬く尖っています。
葉は幅広で細長く、内部がウエファスのように空気層となっています。夏?秋に、細長い茎先から伸びた円錐花序の先端に広線形で黄緑色の雌性の小穂を、その下に薄赤紫色の雄性小穂を咲かせます。夏に刈り取って(真菰刈、まこもかり)よく乾燥させてシメナワ(〆縄)や、コモ(菰)、ムシロ(筵)、スダレ(簀)を作るのに利用されます。黒穂菌が寄生して肥大化した新芽はマコモタケ(菰筍)と呼ばれ食用とされます。見た目はネギ(学名:Allium fistulosum)に似ており、味はタケノコ(筍)に似て淡白です。青い皮は硬いので使用せず、白い部分を加熱して食べます。調理例は、味噌汁の具やフライ、野菜の炊き合わせ、中華料理の炒め物などが一般的です。食用の他、葉でコモ(菰)を作ったり、黒い胞子は「真菰墨」と呼ばれお歯黒や鎌倉彫の顔料に使われます。和名は、丈夫で軽い葉を編んでコモ(菰)を作ったことが和名の由来です。
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