レモン(Lemon) とは、ヒマラヤが原産のムクロジ目ミカン科ミカン属レモン種の常緑低木です。
四季咲きで、総状花序に芳香のある白花を多数付けます。
枝に棘のある品種と無い品種があります。
花後に成る紡錘形の果実が利用されます。
果実は緑色の時に収穫され、追熟で黄色にさせます。
果肉は多汁で絞った果汁は酸味が強くビタミンCやクエン酸、ポリフェノール、リモネンが含まれます。
用途は果肉を絞ってジュースやレモンスカッシュ、レモンハイ等の飲料、
レモンケーキ、アップルパイ(の酸味付けに)、
輪切り等にしてて魚介類に添えて生臭さの緩和、
レモンティ、
皮はレモンピールとされます。
代表品種にリスボンやユーレカがあります。
国内では広島や愛媛、和歌山などで生産され、農薬控えめでノーワックス、
ノー防腐剤のものが生産されており
安全ですが、価格が外国産に比べると3倍ほど高いです。
繁殖は挿し木や接木で行います。
レモンの花と果実の季語と花言葉
レモンの花の季語と花言葉は、夏、「誠実な愛、思慮分別」で、果実の季語と花言葉は秋、「情熱」です。果実の花言葉は、酸味の強さに由来します。俗語で使われる場合は、「欠陥品」や、「欠陥車」、「可愛くない」の暗喩で、モモ(桃)が「可愛い」に対し散々な言われ方ですね。
レモンを主題とした名作
●「檸檬」 梶井基次郎 (青空文庫)
登場人物 私
場所 京都
登場する主な店 果物、丸善
出典 青空文庫
「不吉な塊」に心が圧迫され、焦燥感を感じていた頃、居た堪れず街から街を浮浪し続けた。
見すぼらしくて美しいものに惹かれた。表通りよりむさ苦しい裏通りが好きだった。朽ちたような場所で、勢いがあるのは向日葵やカンナのような植物だけだ。
生活が蝕まれ、金がなかったが、二〜三銭のもので、美しいものに慰められるようだ。
裏通りを歩き、駄菓子屋の前で立ち留り、乾物屋の乾蝦や棒鱈、湯葉を眺め、寺町通にある果物屋で足を留めた。その果物屋は私が最も好きな店で、果物屋固有の美しさが感ぜられた。青物の人参葉の美しさは素晴しく、水に漬つけた豆や慈姑もあった。
私は檸檬が好きだ。「レモンイエロウの絵具をチューブから搾り出して固めたようなあの単純な色も、それからあの丈たけの詰まった紡錘形の恰好も」。私はレモンを一個買った。
レモンを握りしめた瞬間から、心の中の不吉な塊がいくらか弛んで来て私は街で非常に幸福だった。あんなに執拗かった憂鬱がレモン1個で紛らされた。レモンの果実を鼻に持っていって嗅いで、胸一杯に空気を吸い込んだら胸一杯の呼吸をしてなかった身体や顔に温い血が昇って来て元気が目覚めて来た。
レモンの「あんな単純な冷覚や触覚や嗅覚や視覚が、ずっと昔からこればかり探していたのだと言いたくなった。」
歩きながら「つまりはこの重さなんだな。その重さこそ常つねづね尋ねあぐんでいたもので、疑いもなくこの重さはすべての善いものすべての美しいものを重量に換算して来た重さである」とを思った。
気をよくした私はこのところ避けてきた丸善に行き、買うでもなく、本を取り出し手当たり次第に積み上げて、納得できる色彩にしその天辺に檸檬をのせて店を出た。
「変にくすぐったい気持が街の上の私を微笑ほほえませた。」
レモンに関するアメリカの格言
アメリカの格言に、「When life gives you lemons, just make lemonade.」(人生が辛いレモンなら、レモネードを作ればいい)があります。これは実話で、小児がんにかかった少女が、自宅前にレモネードスタンドを開き、同病に苦しむ子供たちのためにお金を集める運動を起こした時の標語でした。どんな人でも常に人生順風満帆ではないので、落ち込んだ時に自分を鼓舞するのに励まされる格言となりますね。
一般名:レモン(Lemon)
、学名:Citrus limon Burm.
、別名:枸櫞(クエン)
、分類名:植物界被子植物門双子葉植物綱バラ亜綱ムクロジ目ミカン科ミカン属レモン種
、原産地:インド北東部のヒマラヤ山系
、生産地:アメリカ、チリ、日本では広島や愛媛、和歌山
、樹高:2〜7m 葉形:卵状楕円形〜披針形
花色:白 開花期:一年中
果実色:緑→黄 果実形:紡錘形
繁殖方法:挿し木、接木
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