シャクジョウソウ (錫杖草) は、夏、草丈が低い、イチヤクソウ科シャクジョウソウ属の多年草です。
褐色にした ギンリョウソウ(銀竜草)
と言った感じの植物で、森林や丘陵地の小道など、陽がささない木陰に、キノコと見間違えそうな外観でヌメヌメと生える腐生植物(菌根植物)です。
花冠は鐘形をした総状花序で、茎の先端部に複数個が下向きに付き、
その姿が僧侶や修験者が手に持つ錫杖(シャクジョウ。環の付いた杖)に似ていることから、
シャクジョウソウ(錫杖草)という名付けられました。咲き進むにつれ、
花は徐々に上向きとなり、実を付ける時になると真っ直ぐになります。果実は立ち上がるようにして付きます。
植物は、通常、葉緑素を持ち、それを使って自分自身で栄養分を作り出し生活していますが、
シャクジョウソウのような腐生植物は、葉緑素を持たないため自分で栄養分を作り出せません。
そこで、根の表面近くにある菌根が分解する枯れ葉の栄養分の残りを吸収して生活しています。また、全草に葉緑素が無いので、薄茶色をしています。
世の中には色々な植物が見られますが、見た目の驚きから言えば、
ラクウショウ(落羽松)の気根
に近いものがあります。
一般名:シャクジョウソウ (錫杖草)
学名:Monotropa hypopithys
分類名:イチヤクソウ科シャクジョウソウ属
草丈:10〜20cm 花色:薄茶〜褐色 開花期:7〜8月 花径:1〜1.5cm
●腐生植物の仲間
ギンリョウソウ(銀竜草):初期に白い草姿
ギンリョウソウモドキ:秋に白い草姿、アキノギンリョウソウとも言う。
シャクジョウソウ(錫杖草):夏に薄茶色
●関連ページ
シャクジョウソウ(錫杖草)
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7月の花(2005年7月17日、気仙沼)
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