ギョウジャニンニク(行者葫)とは、海道・本州の湿気と日当たりの良い山地の林内、草地、岩場に生息するキジカクシ目ヒガンバナ科ネギ属ギョウジャニンニク種の多年草です。地下茎は棕櫚状繊維で包まれた鱗茎(球根植物)です。
植物としてのギョウジャニンニク
茎は太くて赤い。
葉は幅広のヘラ状根生葉で2〜3枚出します。葉色は緑色、葉長は15cm程あります。
初夏、根生葉の中央から伸ばした花茎先端に葱坊主のような球形花序を作ります。
球形花序には6枚の花被片と1本の雌蕊、6本の雄蕊から成る小花を多数付けます。
花被片は表が白、裏が薄紅色をしています。
若い葉・茎は山菜として食用に
ニンニクに似た独特の味と香り、辛味のある山菜で、5月が旬です。
太めの韮のような葉や茎を食用とします。
芽が出始め時には、葉に光沢があり、毒草のスズランと似ているので要注意です。
成長が非常に遅く、種を播いてから収穫するまで5年以上かかります。
ギョウジャニンニクの食べ方
生野菜としてサラダに、生のまま味噌を付けて食べる、さっと湯掻いてオヒタシ、味噌合え、オムレツや餃子の餡、天麩羅、醤油漬け、乾燥させてラーメンの薬味にする等の食べ方があります。
ギョウジャニンニクの効用
ニンニクと同様、硫化アリルを含むのでビタミンB1と共に摂取すれば、新陳代謝の活発化、疲労回復、神経の沈静化、不眠症改善に効果があります。チオエーテル成分を含むので、視力の低下抑制や、高血圧の予防に効果があるとされます。
名前の由来
深山で修行を行う行者が食用としたニンニク臭のある山菜だから、または、行者が滋養強壮薬として食べたからなど諸説あります。
一般名:ギョウジャニンニク(行者葫)
学名:Allium victorialis var. platyphyllum
別名:ヤマニンニク、ヤマビル、ヒトビロ、キトビロ(若芽)、アララギ(古名)
APG植物分類体系:植物界被子植物単子葉類キジカクシ目ヒガンバナ科ネギ属ギョウジャニンニク種
生息分布:北海道・本州 環境:湿気と日当たりの良い山地の林内、草地、岩場
産地:北海道などで園芸栽培
生活型:多年草で、地下茎が棕櫚状繊維で包まれた鱗茎となっている。
草丈:40〜60cm 茎:太くて赤い。 葉:根生葉を2〜3枚 葉色:緑色 葉形:幅広のヘラ状 葉長:15cm
花序形:球状 花序径:5cm 花被片長:0.7cm 花被片枚数:6枚
花被片色(小花色):白(表)・淡紅色(裏) 開花期:6〜7月
雌蕊:1本 雄蕊:6本 種色:黒
用途:若芽を山菜として食べる。 出回り時期:4月下旬〜6月上旬
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