アカメガシワとは
アカメガシワ(赤芽槲、学名:Mallotus japonicus )は、日本、中国原産でトウダイグサ科アカメガシワ属の落葉高木です。東北以南〜九州の日本及び中国の山野に自生します。
樹高は10〜15 mです。春に紅葉したように赤い新芽が目立ち、和名の一部となっています。これは緑色の葉の上に赤い鱗片(毛)が乗っているからであり、時間の経過と共に落ちて緑色になり、さらに時間が経過すると黄色くなります。葉には赤くて長い葉柄があります。葉は先端が尖った卵形又は掌状です。葉の両面に星状毛があります。基部には蟻等の昆虫が集まる蜜腺があります。
雌雄異株です。梅雨時に、雌株は葉腋から円錐花序を伸ばし小花のように見える、クリーム色で先端が2〜3裂した萼と、先端が3裂した赤と黄色の地味な雌蕊を付けます。花弁はありません。萼長と花序長はそれぞれ10〜20cmです。雄株は3〜4裂した萼と多数の雄蕊を付け、葯色は黄色です。花後にできる果実は黒い球形の刮ハで刺があります。種子は3個あり黒い。葉が大きいので昔は飯や物を包むのに使われ、メシモリナ(飯盛菜)や、サイモリバ(菜盛葉)、ゴサイバ(御采葉)と呼ばれました。
万葉集とアカメガシワ(ヒサギ)
万葉名は「ひさぎ」です。
万葉集 第6巻 925番歌
作者:山部赤人
題詞:山部宿祢赤人作歌二首
原文
烏玉之 夜之深去者 久木生留 清河原尓 知鳥數鳴
読
烏玉(ぬばたま)之(の) 夜之(の)深去者(更けゆけば) 久木(ひさぎ)生留(生うる、おうる) 清(き)河原(河原)尓(に) 知鳥(千鳥)數(しば)鳴(く)
↓
ぬばたまの 夜の更けゆけば 久木(ひさぎ)生ふる 清き(河原)に 千鳥しば鳴く
意味
夜が更けると ひさぎが生える 清らかな河原で チドリがしきりに鳴いています。
ぬばたまは「夜」にかかる枕詞。
一般名:アカメガシワ(赤芽槲)、学名:Mallotus japonicus、別名:ヒサギ(久木)、メシモリナ(飯盛菜) 、サイモリバ(菜盛葉)、ゴサイバ(御采葉)、Japanese Mallotus、分類名:植物界被子植物真正双子葉類キントラノオ目トウダイグサ科アカメガシワ属アカメガシワ種、原産地:東北以南〜九州の日本及び中国、環境:山野、生活型:落葉高木、樹高:10〜15 m、直径:40〜50 cm、樹幹色:灰褐色で縦に浅裂、葉柄:赤くて長い、葉色:赤→緑→黄、葉形:掌形又は卵形、葉長:5〜20 cm、葉幅:5〜15 cm、葉の両面:星状毛有、葉序:互生、葉縁:波状/全縁、葉基部:1対の蜜腺、雌雄異株、花序形:円錐花序、花序長:10〜20 cm、開花期:6月〜7月、花弁:無(雄花、雌花とも)、雌花:2〜3裂した萼と先端が3裂した雌蕊、雌花の色(実際には、萼色):淡黄色、雄花:3〜4裂した萼と多数の雄蕊、葯色:黄色、果実型:刮ハ、果実形:球形、果実色:黒、果実径:0.8 cm、結実期:10月、種子数:3、繁殖方法:シュートと種子、用途:建築材、器具材、生薬 備考:パイオニア植物。
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