里芋 左:石川早生、国立歴史民族博物館くらしの植物苑、2020年8月13日
植物としてのサトイモ(里芋)
芋
茹で里芋
里芋の入った含め煮、里芋煮しめ
芋茎と牛筋の煮込み(明希シェフ)
サトイモ(里芋)とは
サトイモ(里芋とは、サトイモ科コロカシア属(サトイモ属)の非耐寒性多年草で根菜として食用になります。
山芋(自然薯)に対して里芋と呼ばれ、スーパーで普通に売られているイモ類の一つです。
●植物としての里芋
夏、薄黄の仏炎苞の中に
カラー(Calla)
に似た肉穂花序の花を咲かせます。
雌雄同種で、肉穂花序の上部に黄色い雄花、その下部に緑色の雌花を密生させて咲かせます。
葉は緑色をした厚く大きく撥水性がある根生葉で、ほぼ直立して4〜5枚の束生葉が生え、
葉形は細長いハート状をしています。
繁殖は花後に出来る種ではなく、小芋を植えて行います。
●里芋の種類
里芋には、塊茎(地下茎)を食べる小イモ種、親イモ種、親子兼用種と、
葉柄を食べる葉柄種(ズイキ)があります。
通常、私達が食べているのは、小イモ種です。
里芋の品種
里芋は栽培に大量の水を使用します。
品種には、ドダレ(土垂)や、ウーハン(烏播)、ブンゴ(豊後)などがあり、芋質はねっとりと柔らかです。
小イモ種の品種には他に、イシカワワセ(石川早生)があり、衣かつぎとして食します。
芋質は小さく丸く白く、皮付きのまま茹でるか、蒸すかしたものを、
指で皮を押すと破れて中身が出たものを塩を振って食べるなどします。夏が旬です。
●里芋を使った料理
芋煮やお煮しめ、烏賊等とのあわせ煮、煮っころがし、汁の具などにして加熱して食べます。
旬は秋ですが、一年中出回っています。
煮ている最中にぬめりが出て、蓋をした状態と同じになり、煮こぼれることがあるので注意が必要です。
また、皮を剥く時に、手が痒くなることがあります。
●里芋の仲間 タロ
ハワイの先住民は、里芋の仲間の
タロ(Taro)
を主食としており、今でも水田にタロが栽培されています。
一般名:サトイモ(里芋)
学名:Colocasia esculenta Schott
別名:Eddoe
分類名:植物界被子植物門単子葉植物綱サトイモ目サトイモ科サトイモ属
原産地:マレーなど東南アジア
草丈:200cm
葉長:30〜50cm 株:雌雄同種 茎形:楕円形 葉:根生葉
葉質:撥水性 葉色:緑 葉縁:全縁 葉脈:平行
花茎長:30cm 花径:2cm 開花期:8月
仏炎苞色:薄黄 雌花色:緑 雄花色:黄 仏炎苞長:20cm 肉穂花序長:15cm
食用の可否:可 食用部分:塊茎(かいけい)部分が芋、葉柄はズイキ(芋茎)
品種:石川早生
料理方法:煮物、炊き合わせ、おせち料理
収穫期:10月
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