フナムシ(船虫)|磯の掃除屋さん【かぎけんWEB】

フナムシとはフナムシ科フナムシ属の節足動物です。別名:ウミムシ(海虫)、Wharf Roach(ワーフローチ)
節足動物図鑑もご参照ください。

フナムシの動画 撮影:藤田明希


波を被ってもへっちゃら

フナムシ(船虫) フナムシ(船虫)
フナムシの生活の場は礒です。フナムシはおおよそゴキブリの大きさでイメージもそんな感じです。


フナムシ(船虫) フナムシ(船虫)
フナムシは釣りの餌となるオキアミが好きです。オキアミが落ちていると大勢の仲間が列をなしてやって来ます。

フナムシ(船虫)
オキアミが好きなのはフナムシだけではありません。今はまだ登場していませんがイソヒヨドリやカラスもオキアミが好きです。


フナムシ(船虫)
こんなところで釣りしてます。陸の平根釣り風景(2008年4月12日)



フナムシ(船虫)とは

フナムシ(船虫、学名:Ligia exotica)とは、日本全国のみならず世界中の海岸で見られるゴキブリに似たワラジムシ目フナムシ科フナムシ属の節足動物です。 登場する場所と姿から、英名では、「Wharf Roach」(ワォーフ・ローチ、埠頭のゴキブリ)とも呼ばれます。
昆虫ではなく、エビカニの仲間の甲殻類の一種です。 体長は4〜5cmで身体は硬いクチクラ層で覆われており、殻色は黒〜褐色です。大きな複眼と長い触角、7対で計14本の脚、2本のしっぽ(尾肢)があります。脱皮は体の前部と後部を分けて行います。腸にある分泌細胞から糞として出た集合フェロモンで群れる習性があり集団行動を取ります。


フナムシの事情

フナムシはエラ呼吸をするので海水魚と同様に塩分を含んだ海水が無いと生きてゆけません。 また乾燥に弱く適度な湿気が必要なので磯や防波堤に住んでいます。食性は雑食性で、オキアミや藻類、魚などの生物の死骸等なんでも食べます。 天敵は、海鳥、カニ、魚などですが、人間はフナムシを捕まえて、釣りの餌にしてしまうので、人間も天敵の一種ではあります。 フナムシを釣り餌にして、メジナカサゴクロダイイシダイなども釣れるようです。試したことはありませんが。 逃げ足が速いので素手で捕まえるのは大変ですが、瓶などにオキアミを入れて入りこんだら蓋をすると比較的簡単に捕まえられます。


釣り場に出没

釣り場には、撒き餌のナンキョクオキアミ(南極沖醤蝦)を狙って集団で一目散にやってきます。動きは俊敏です。脚数が多いからか逃げ足が早いです。 カモメや、ウミネコミズナキドリウミガラスイソヒヨドリなどの海鳥は空から飛んで来てオキアミを狙いますが、フナムシは岩場の凹みに潜んでいて地上からオキアミを回収に来ます。礒の汚れのお掃除屋さんと言われます。


フナムシが出て来る物語

「ヤドカリとフナムシ」 著者:会田泰雅

一般名:フナムシ(船虫)、学名:域:Ligia exotic、
分類名:動物界節足動物門甲殻網ワラジムシ目フナムシ科フナムシ属フナムシ種、
別名:Wharf Roach(ワォーフ・ローチ、埠頭のゴキブリ)ウミムシ(海虫)、生息世界の沿岸域、
体長:4〜5cm、体色:黒〜褐色、食性:雑食性、オキアミ、藻類、生物の死骸、天敵:海鳥、カニ、魚、寿命:1年半。



ゴキブリとフナムシの違い

項目 フナムシ ゴキブリ
住む場所
脚の数7対14本3対6本
無し有り
尾肢長く二股
危害磯の掃除屋病原菌の運び屋

■関連ページ

フナムシ(船虫、学名:Ligia exotic)   陸の平根(2008年4月12日)  若洲人工磯  陸の平根  動物図鑑  節足動物図鑑 

フナムシのショートショート

釣り座の岩場にゴキブリ似の生物が居ました。 動きが素早くてあっという間に逃げ去りました。

フナムシ(船虫)
フナムシ、緊急出動中。「急がんば」

フナムシ(船虫)
釣り人が豪快に取りこぼしたオキアミをめがけて、フナムシの長い行列が続きます。

フナムシ(船虫)
餌のオキアミを無心に食べる船虫。「はむはむ。そりゃぁ、ワイの人生掛かってまんがな」

磯で生きる船虫
2008年4月27日、若洲人工磯で

フナムシ(船虫) フナムシ(船虫)
逃げ足の速いヤツ−フナムシ(船虫)
陸の平根(伊東市城ケ崎海岸)で、2008年4月12日